FC2ブログ

Time is money, ya know

プロフィール

Author:ydog
読んだ本を忘れてしまわないためのアウトプットの場。読んだ本の中でも是非皆さんに読んで頂きたい本を【お勧めの本】として紹介しています。本を選ぶ参考にしてみてください。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

  • 未分類(3)
  • 日本文学(31)
  • 外国文学(4)
  • ビジネス書(21)
  • ミステリ(5)
  • 学術書(5)
  • 英語(1)
  • 仏語(2)
  • 政治(1)
  • 思想・哲学(2)
  • 自己啓発(7)
  • 評論(22)
  • ワイン(10)
  • お勧めの本(8)

リンク

RSSリンクの表示

FC2カウンター

<ブログを始めるなら>

ブログ 【FC2BLOG 容量1GBの簡単ブログ】

ブログを思い通りにカスタマイズしたいという方にはFC2ブログがお勧めです。初心者の方でも安心して使えます。ブログを作ったら、ブロともになりましょv(。・ω・。)

人生で特に影響を受けた本たち

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



--------(--) --:--| スポンサー広告| トラックバック(-)| コメント(-)

『戦争広告代理店』

ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社文庫)
ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社文庫)
講談社 2005-06-15
売り上げランキング : 54508

おすすめ平均 star
star世論工作という情報戦争のドキュメンタリー
starストイコビッチ。
star迫力がある

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

本書は、メディアによって世論を操作し、ボスニア戦争をボスニアの勝利に導いたある広告代理店についてのドキュメントである。

そもそも数多くの紛争が絶えないこの世界において、自国の安全保障にとって重要ではない特定の紛争に対して、アメリカがわざわざ介入することはまずありえない。紛争に介入すれば、国民の血税から資金を拠出しなければならないし、なにより戦争で自国の兵士の尊い命が失われることを世論は嫌う。したがって、紛争の介入には、世論に対する説明責任を果たすことができるだけの十分な理由が必要である。しかしながら、ボスニア・ヘルツェゴビナにはアメリカを惹きつけることのできる資源などないし、アメリカの対外政策的に重要な要所といえるわけでもない。

理由がなければ作ってしまえばよい。ボスニア政府と契約したジム・ハーフは様々な手を使って米国内に反セルビアの世論を作り上げる。しかるべきメディア・政界の主要人物とボスニア外相シライジッチを頻繁に接触させることで徐々にメディアでの露出・影響力を高め、人々の間にボスニア戦争の惨劇を浸透させていった。もちろん、ボスニア戦争においてセルビア人勢力がボスニアよりも人権侵害を頻繁に行ったという事実は決してないし、紛争とは参加した時点で双方が悪である。それにもかかわらず、ジム・ハーフは反セルビアという世論を作り上げることができた。
 
その決め手となったのが、「民族浄化(ethnic Cleansing)」という言葉だ。民主主義と人権という価値観を特に大切にする米国国民にとって、「民族浄化」という言葉は、第二次世界大戦におけるナチスのホロコーストを想起させるものだった。こうした人々の心を揺さぶるキーワード戦術に加え、止めを刺したのが「強制収容所」らしく思われる一枚の写真である。この写真については、写真を撮影した本人や掲載した雑誌が一言も「強制収容所の写真である」という言及は行っていないにもかかわらず(実際、紛争終了後の調査によっても強制収容所の痕跡がセルビア領内で発見されることはなかった)、「民族浄化」という言葉と相まって、セルビア=悪のイメージを作り上げたのである。
 
こうしたメディアの偏重を悪と評する人がいるかもしれない。ニューヨーク・タイムスのコラムニストであるデビッド・ビンダーもボスニア政府とだけ接触し、セルビア側から全く話を聞こうとしなかったメディアを非難している。ただし、知っていおいていただきたい事実は、セルビア政府の主張を報道するメディアも確かに存在した。しかしながら、そうしたメディアの主張は、次々に打ち出されるジム・ハーフのPR戦略に埋もれていっただけの話である。そして何より、報道を鵜呑みのままに信じてしまう国民の側にも大きな責任があるのだ。ここで単にメディアが悪いと評することは、情報の判断能力を身に着けることを放棄した自分自身を棚に上げた行為である。
 
ジム・ハーフが行ってきた戦略というのは、まぎれもなく「外交」である。世論を操作し、時には政治家に対して圧力をかけることで政府に自分の要求を実現してもらう。こうした外交技術において、日本政府は大きな遅れをとっているといえるだろう。日本の外務省がこのような形で世界世論を動かしたことがかつてあっただろうか。日本の外務省官僚の方々も、日夜、国益のために血のにじむような努力を続けていることと思われる。しかしながら、その割にいつまでたっても日本外交に明確なヴィジョンを打ち出せず、保守的な外交に陥っていると思われるのは私だけだろうか。その反面、こうしたPR戦略を行うことができる民間人を官僚として柔軟に登用する米国政府の外交能力が優れているのは言うまでもない。日本の国益のためにも、閉鎖的な官僚主義は控えめにして、もっと民間との協働を深めていくのはどうだろうか。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



2009-10-02(Fri) 11:13| 評論| トラックバック 0| コメント 0

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら

カレンダー(月別アーカイブ)

プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2019年07月 | 08月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


ブログ内検索

<古本市場>

Amazonでは中古品を出品者から購入すると必ず340円の送料がかかってしまいます。古本市場でなら、中古品でも2000円以上買えば送料無料です。中古品を買うなら古本市場がお勧めです。

<Amazon>

私もいつも利用しているAmazonです。洋書のベストセラーを読んで英語学習に役立ててみてはどうでしょう??

Ajax Amazon

レビュープラス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。