FC2ブログ

Time is money, ya know

プロフィール

Author:ydog
読んだ本を忘れてしまわないためのアウトプットの場。読んだ本の中でも是非皆さんに読んで頂きたい本を【お勧めの本】として紹介しています。本を選ぶ参考にしてみてください。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

  • 未分類(3)
  • 日本文学(31)
  • 外国文学(4)
  • ビジネス書(21)
  • ミステリ(5)
  • 学術書(5)
  • 英語(1)
  • 仏語(2)
  • 政治(1)
  • 思想・哲学(2)
  • 自己啓発(7)
  • 評論(22)
  • ワイン(10)
  • お勧めの本(8)

リンク

RSSリンクの表示

FC2カウンター

<ブログを始めるなら>

ブログ 【FC2BLOG 容量1GBの簡単ブログ】

ブログを思い通りにカスタマイズしたいという方にはFC2ブログがお勧めです。初心者の方でも安心して使えます。ブログを作ったら、ブロともになりましょv(。・ω・。)

人生で特に影響を受けた本たち

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



--------(--) --:--| スポンサー広告| トラックバック(-)| コメント(-)

『坊ちゃん』

坊っちゃん (新潮文庫)
坊っちゃん (新潮文庫)
新潮社 1950-01
売り上げランキング : 2891

おすすめ平均 star
star清への思い
star日本文学史上の名作か?
starこんなに面白いなんて聞いてない~!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

坊ちゃんを名作たらしめている要因は、歯切れの良い文体にあるといっても過言ではない。名文というのは読者を一瞬にして作品の中に引き込む力を持っている。『日本語の作文技術』の中で、文章のリズムの問題が作文技術の終局点であると本田氏は述べている。文体やリズムは、理論では習得することのできない技術を超越した文豪の才能なのだ。その点で言えば、漱石の作り出す文章は間違いなく名文なのである。
 
冒頭の部分からして、
 
 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。

何とも軽快な文章ではないか。この部分を読んで、早く次の段落を読みたいと思ってしまうのは、何も坊ちゃんの行動が破天荒だからという理由だけではあるまい。トン、トン、トンとドミノ倒しのように、知らず知らずのうちに前に倒れこませる力がこの文章にはある。
 
 
『坊ちゃん』は、典型的な勧善懲悪ではなく、「善」が「悪」に対して完全に勝利してはいない。実質的に見れば、赤シャツは教頭として学校に留まり、一方の坊ちゃんは学校に辞表を出して職を失ったのである。坊ちゃんが力に任せた制裁を行って「悪」を懲らしめても、社会的に勝利したのは近代化を体現する赤シャツであり、この点において漱石が近代化への反発に限界を感じていたということも読み取れる。無骨で真っ直ぐな江戸っ子の価値観は、近代において恐らく「善」ではあるが、インテリの知識の前には虚しく葬られてしまうのである。
 
しかしながら、漱石は、そうした「善」の弱さを清という存在によって救済した。これは、正しさという観念が既に自己中心的な価値観に基づくものであって、各人の中において完結すればよいという考えを示しているのではないだろうか。つまり、坊ちゃんは正しいが、彼は彼の世界において正しければそれでよいのである。実際、赤シャツが改心したかどうかには触れられていないし、恐らく、彼は邪魔者がいなくなった後、これまでと同様に権力の維持に努めるだろう。結果的に何も変わってはいないが、それで良いのである。正義とは押し付けたり、押し付けられたりされるものではない。
 
「正直者が馬鹿を見る」とは、まさに坊ちゃんのことなのだ。彼は損得の基準からは全く離れているため、無遠慮で軽率とも思える行動の結果、いつも「損ばかりしている。」しかし、損はすれども、自分を貫き通す坊ちゃんの生き方に、私は感銘を受けるのである。社会的には敗者になっても、人間としては格好の良い、そんな魅力的な人間が主人公だからこそ、『坊ちゃん』は長く読み継がれる名作になっているのではないだろうか。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



2009-08-12(Wed) 23:48| 日本文学| トラックバック 0| コメント 0

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら

カレンダー(月別アーカイブ)

プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2019年07月 | 08月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


ブログ内検索

<古本市場>

Amazonでは中古品を出品者から購入すると必ず340円の送料がかかってしまいます。古本市場でなら、中古品でも2000円以上買えば送料無料です。中古品を買うなら古本市場がお勧めです。

<Amazon>

私もいつも利用しているAmazonです。洋書のベストセラーを読んで英語学習に役立ててみてはどうでしょう??

Ajax Amazon

レビュープラス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。