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「ヒトとは犬に食われるくらい自由な生き物なのである」

fuj_01.jpg
 
著者はこの光景を美しいといっている。私も同感である。この写真には、動物とは隔絶した知力を有する人間でさえ自然に属するのだという厳然たる事実が写されている。著者はこの光景をインドで撮影したが、中世日本でもこうした光景は日常的だった。「檀林皇后九相図会」という人間の死体が腐乱する様子を段階的に追った絵図には、人の死体が犬や鳥によって食われる様が描かれている。

060809_01.jpg

しかしながら、現代生活からは、死や汚物といったネガティブな要素が潔癖なまでに排除されてしまった。人が死ねばすぐさま葬式が執り行われ火葬場へと直行し、強制的に灰燼へと帰される。決して腐敗した死体などという「醜く汚いもの」を衆目に晒すことはせず、隔離してしまう。こうした現代社会は「自然」なのか「不自然」なのか。死体を拒絶することはまだしも、現代人は自然により近いものを異物とみなし、人工的なものをキレイなものとみなす傾向にもある。例えば、虫を触れない子供がいたり、伝統工芸品を汚いものとして大量生産の特徴のない製品を好んだりする。私達の都市や環境が整備され、生活が無機的・人工的になっていくにつれて、自然を汚いものと捉える感性が育ってきているように思える。そうした感性は、「自然」なのか、「不自然」なのか。
 
こうしたネガティブな要素が排除されてしまった理由として、著者は日本の高度経済背長が有していた生産性拡大が絶対であるという価値観を挙げる。つまりは、大量生産・大量消費を実現し、高い回転率を有する経済を実現するためには、人間を経済の部品として管理しなければならない。その結果として、「人間的な感情や行為」は邪魔なものとして排除される。例えば、テレビのコマーシャルにおいては、宣伝広告には喜や楽ばかりが人間感情として取り上げられ、哀や怒という要素が抜け落ちている。私達が住んでいる集合住宅やマンションなどは、今でこそ当たり前のものとして我々の生活の中に存在しているが、昔ながらの日本家屋にあった開放性というものは排除され、家の構造はお互いが交流するものからお互いを遮蔽するものへと機能的に変化した。縁側や垣根が消え、隣家との交流を前提とはせず、人間関係、ひいては自然との交流を断つ構造に変化した。上述した死や汚物の排除も例として挙げられるだろう。大量消費・大量生産を通じた経済発展という名目の前には、全ての負の要素が排除される。
 
こうした傾向に対する批判には、消費者の購買意欲を刺激するため、人口増加に対応するためという合理的な理由が提示されるかもしれない。日本が大国として発展していくためには不可欠の要素だという人がいるかもしれない。私自身も、こうした管理社会が日本経済の発展に寄与してきた事実それ自体を否定する気はさらさらない。私も現代人の一人として、こうした経済発展の恩恵にあやかっているのであり、それを否定することはここまで日本経済を成長させてきた先人の方に対して失礼だろう。ただし、私は自分が経済成長の中の一つの部品として管理されたくない。管理された社会や価値観の犠牲にはなりたくはないのである。
 
著者は、こうした経済成長の弊害である希薄化した人間関係の結果として、「イエスの方舟事件」や「金属バット両親撲殺事件」、「深川通り魔殺人事件」などの青少年のセンセーショナルな事件を挙げている。しかしながら、犯罪統計グラフ化したものを見てみると、著者が犯罪増加を主張する高度経済成長期への変換後の1970年代から80年代にかけては、青少年犯罪は減少しているのだ。したがって、高度経済成長の結果、希薄化した人間関係の中で育った子供が犯罪を起こすようになったという事実は非常に疑わしい。
 
しかしながら、それ以外の点において筆者の体験・主張は非常に興味深いものである。犬が人を食っている写真を雑誌に載せるというのは、よほど確固たる主張を持っていない限りできない。現代日本の一面を描いた著書として読んでみてはいかがだろうか。

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2009-07-18(Sat) 11:30| 評論| トラックバック 0| コメント 2

コメント

はじめまして

自然の摂理って本当はこういうことなんでしょうね。
冒頭の光景を美しいとは思えませんでした。
ただ、目を逸らせませんでした。
とても考えさせられるいい評論だと思います。

はじめてのコメントで長々と失礼しました。
また来ます。
ランキング上位になれるよう応援してます

2009-07-23(Thu) 18:49 | URL | 西由記 #-[ 編集]

ありがとうございます

インドに行けば人生が変わるとよく言いますが、こうした光景が日常的に見られるのであれば、それも納得できますね。私はまだインドに言ったことはないのですが、学生の間に是非行ってみたいと思うようになりました。卒論を提出したら行ってみようかな。。。

これからもどんどん更新していきますのでよろしくお願いします。

2009-07-24(Fri) 13:50 | URL | ydog #-[ 編集]

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