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『日本人の美意識』

日本人の美意識 (中公文庫)
日本人の美意識 (中公文庫)Donald Keene 金関 寿夫

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海外で長く暮らしていると今まで気がつかなかった日本の姿が改めて見えてくる。アメリカでもアジアでもアフリカでも、全く異質の文化に触れることは、日本人としてのアイデンティティが何なのかを考えさせてくれる。井の中の蛙は大海を知らずというが、やはり日本の中に留まり日本を語るのと、異文化を体験した上で改めて日本を語るのとでは重みが違うのだ。やはり若い内に海外に出て異質なものを見ておくべきである。
 
かく言う私は、海外に住んでいたとき自分自身が日本人として日本のことを何も知らないことに驚いた。特にアメリカ人以外の学生との話の中では、アメリカ文化と自国文化を比較させたり、自国文化の紹介(自慢?) をしたりすることが多かった。しかしながら、果たして私の知っている日本というのはどんなものかと考えると、全くといってイメージが沸いてこない。幼い頃から慣れ親しんだ分、客観的に説明することがなかなか難しいのだ。そして話題は日本特有のものに移っていく。例えば、富士山、東京、歌舞伎に生花・・・当時の私は富士山を見たこともなかったし、東京にさえ行ったことがなかった。ましてや歌舞伎を見たことなんてあるわけがない。私の母は茶道と華道の先生をしているが、このときになって多少の手ほどきを受けておけば良かったと悔やんだ。無論、友人には日本人のくせに何も知らないなと笑われたのは言うまでもない。
 
恐らく、大半の日本人の方が私と同様の境遇にあるのではないか。いざ「日本とは?」と聞かれてスラスラ説明できる人などほんの一握りだろう。それほどまでに私達は自分の住んでいる日本のことを知らないように思う。もう一つ印象深かったのは、休日は何をするのかという話になった際、アジアやメキシコ、インドの留学生やアメリカの友人が、こぞって「映画に行ったり、ボーリングやショッピングをする」などと全く同じ休日を過ごしていたことだ。これぞグローバル化と誰かが言っていたが、まさに日本と海外のライフスタイルはますます均質化しつつある。
 
それに気付いた私は大学最後の一年間は海外に出るのではなく、自分が住んでいる日本のことをもっと知ろうと思った。この夏は富士山に登り、国会議員の方の下でインターンシップをする。母に華道を習おうと考えてもいるが、学校の単位が少し残っているので何ともいえない。歌舞伎や浄瑠璃も楽しみたい。日本芸術についてももっと知りたい。そうして本書を手に取った。
 
著者は、日本人が完璧性を避けるという。つまり規則的なものや均質なものを避け、どこか欠点のある不完全なものを好むのが日本人らしい。「日本人とは~である」という一般化を嫌う人がいるが、私は個々人の個性は別にして、大方八割程度の人に当てはまる性質というものは存在すると考えている。でなければ文化における一定の様式や嗜好が生まれないと思うからだ。したがって、著者のこのような指摘もうなずける。著者にしてみれば私も典型的な日本人で、湯のみ等も楽茶碗のようないびつな形のものが好きだ。バロック式庭園のシンメトリーも美しいと感じるが、やはり日本庭園のような質素だが「渋い」庭園の方が好きである。芭蕉の句が長く愛されているように、敢えて全てを語らず不完全なままで留めたものを好むのは日本人特有のものである。こうした日本人らしさを第三者の目から改めて浮き彫りにする本書は、日本を考える上で非常に参考になった。
 
また、作者は中盤部分を日本演劇の解説に割いている。日本の伝統演劇である歌舞伎や人形浄瑠璃は、一見すると非常に派手で非写実的である。歌舞伎役者の大振りで異様なポーズを想像してみれば分かりやすい。しかしながら、日本演劇には写実的な要素も十分に含まれているのだ。それは、脚本が描き出す驚くほど詳細かつ正確な当時の生活状況や社会的環境、人々の価値観などの要素である。そうした脚本の有する写実性に対抗するように、役者は登場人物の心情を大振りな振り付けで非現実的に表現する。このような写実性と非現実性のバランスを常に保ってきたのが日本の伝統演劇であると著者は述べる。
 
こうした演劇論も非常に興味深かったが、日本の伝統演劇をまだ見たことのない私にとっては、どうにも実感がわかないというのが正直な感想である。やはり日本人として一度は日本の伝統演劇を見ておきたい。

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2009-07-15(Wed) 16:32| 評論| トラックバック 0| コメント 2

コメント

どうぞ歌舞伎でも何でも

はじめまして。
 つい立ち寄りましたら、日本文化の本に対する感想文でしたので、拝読させて頂きました。
 アメリカで多少なりとも生活されたご経験があるとのこと。歌舞伎でも能、狂言でも、やはり見て楽しんで体験してほしいと思いました。
 日本のことをまずたくさん知らなくては、と私も20代の時に痛感したのを思い出します。
 たくさんの読書感想、大変参考になり、これからも楽しく拝見させて頂きますね。
 頑張ってください。

2009-07-20(Mon) 05:46 | URL | 杉の子 #-[ 編集]

書き込みありがとうございます

本を読むのも良いけどもっと色々な事を体験していきたいですね。社会人になって金銭的に余裕ができたら、少しずつ日本演劇を見ていくつもりです。
これからも読書感想文の方は書き続けていきますので、応援よろしくお願いします。

2009-07-20(Mon) 18:31 | URL | ydog #-[ 編集]

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