FC2ブログ

Time is money, ya know

プロフィール

Author:ydog
読んだ本を忘れてしまわないためのアウトプットの場。読んだ本の中でも是非皆さんに読んで頂きたい本を【お勧めの本】として紹介しています。本を選ぶ参考にしてみてください。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

  • 未分類(3)
  • 日本文学(31)
  • 外国文学(4)
  • ビジネス書(21)
  • ミステリ(5)
  • 学術書(5)
  • 英語(1)
  • 仏語(2)
  • 政治(1)
  • 思想・哲学(2)
  • 自己啓発(7)
  • 評論(22)
  • ワイン(10)
  • お勧めの本(8)

リンク

RSSリンクの表示

FC2カウンター

<ブログを始めるなら>

ブログ 【FC2BLOG 容量1GBの簡単ブログ】

ブログを思い通りにカスタマイズしたいという方にはFC2ブログがお勧めです。初心者の方でも安心して使えます。ブログを作ったら、ブロともになりましょv(。・ω・。)

人生で特に影響を受けた本たち

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



--------(--) --:--| スポンサー広告| トラックバック(-)| コメント(-)

『限りなく透明に近いブルー』

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1) 村上 龍

講談社 1978-12
売り上げランキング : 5511

おすすめ平均 star
star日本文学史上”最高傑作”
starエグいが初期作品の強度は今でも有効
starただ起きている

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

第75回芥川賞受賞作である本作品は、古典的な日本文学とは明らかに異なった作風で物議を起こした。夏目漱石や森鴎外、太宰治、島崎藤村、芥川龍之介・・・挙げ始めればキリがないが、精神的な分析を中心とした重厚かつ真面目な古典的な文学作品とは全く異なり、本作品はドラッグやセックス等の俗っぽい題材を心理描写のない「映像的」な文章によって表現している。本作品の後、昭和54年に『風の歌を聴け』で村上春樹が群像新人文学賞を受賞してデビューし、吉本ばななといった「ポップ文学」に続いていく。したがって、この作品が「ポップ文学」の始まりといっても良いのであり、日本文学の大きなターニングポイントといえるのではないだろうか。
 
こうした「ポップ文学」を文学ではないと言われる方もいるかもしれない。正直、私自身も名作的な古典文学をより高尚なものとして位置づけようとしてきた。しかしながら、古典作品が高尚であるとする理由は全くないのであって、こうした安易な傾向は批判されるべきものである。時代が移り変われば文学の題材や作風も変遷していくのは当然のことであって、日本という国にほとんど閉ざされていた時代の作品がより内面的な傾向を帯びる半面、グローバル化の波に晒される中で大量生産・大量消費でモノの価値が希薄化していく現代においては、一見すると軽薄で内容が薄く思える文学が出来上がるのは当然ではないか。
 
このような文学の変遷の中において名作が何かと問われれば、それは内容如何によるものではなくて、「作品が読者の心に訴えかけられるか」という点に尽きると思う。いかにも抽象的であるが、読者が感動し、何かを学び、もう一度読みたいと思えるような作品が名作であると考えざるを得ない。単純なようだが、こうした作品が遥か昔の平安時代から現在に至るまで名作として残っているのである。
 
『限りなく透明に近いブルー』は名作か。それは各々の読者の判断に任せる。ただ、私は名作だと感じた。非常に透き通った詩的な文章に惹きつけられる。非常に感覚的な文章といったところか。古典文学が主人公の内面描写にしたがって頭で考えながら読んでいく文章であるとすれば、本作品は映画の映像を見るように淡々と物語が進んでいく。なぜなら本作品は没主体の文章であり、主人公が知覚した事実のみが文章の大部分を占めているからである。主人公のリュウが目で見て、聞いて、話した「事実」の羅列。読者はその事実の羅列から登場人物の内面を想像するしかない。全くもって映画と同じである。そして、最後の場面でリュウが初めて「考え」始める。
 
現代社会が押し付ける様々な重圧。その中で、将来に希望を持つことができない彼らは「今」を楽しもうとする。しかし、心のどこかで今の生活から抜け出したいと考えているのだろう。その気持ちは度重なる嘔吐として現れる。セックスとドラッグによって自分自身を誤魔化すことしかできない虚しさに気付いてはいるが、その代わりとなり得る希望を持つことができない。
 
リュウは最後に鳥という重圧の存在に気付く。今まで近づきすぎて見えなかったが、自分を抑圧し、苦しめていた鳥を殺し、苦しみから自由になりたいと願う。しかし、鳥を殺すことはできない。鳥はずっと彼の世界に居座り続ける。では、それを受け入れるしかないと知ったときに、彼は世界の優しさに気付くのだ。そして、その優しさで自分を苦しめていた鳥まで包もうとする。限りなく透明に近いブルーに写った、優しい起伏によって。

クリックで応援ヨロシクお願いします。



2009-06-19(Fri) 01:07| 日本文学| トラックバック 0| コメント 2

コメント

はじめまして。

一日一冊ってすごいですね!!
僕ももっと頑張って本読もうっていう気になりました。ありがとうございます。

また遊びにきますね。 
これからも記事楽しみにしてます!!!

2009-06-19(Fri) 22:28 | URL | タナケー #-[ 編集]

コメントありがとうございます。
初めてのコメントなのでとても嬉しいです。また遊びに来てくださいね!!

2009-06-19(Fri) 23:48 | URL | ydog #-[ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら

カレンダー(月別アーカイブ)

プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2019年07月 | 08月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


ブログ内検索

<古本市場>

Amazonでは中古品を出品者から購入すると必ず340円の送料がかかってしまいます。古本市場でなら、中古品でも2000円以上買えば送料無料です。中古品を買うなら古本市場がお勧めです。

<Amazon>

私もいつも利用しているAmazonです。洋書のベストセラーを読んで英語学習に役立ててみてはどうでしょう??

Ajax Amazon

レビュープラス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。