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『政治家とリーダーシップ―ポピュリズムを超えて』

政治家とリーダーシップ―ポピュリズムを超えて
政治家とリーダーシップ―ポピュリズムを超えて
岩波書店 2001-12
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本書は、政治家がリーダーシップを取るための条件を歴史上の事例・人物を通じて考えていくのであるが、同時に、パレスチナ問題やテロリズムなどの世界情勢の分析も行われている。前者と後者がどのように結びつくのか私には定かではなかったが、総じて多くの参考文献を引用しながら、非常に示唆に富む考え方が多かった。
 
これまでの書評の中でしばしば述べてはいるが、国家においては、民主主義を基本に置きながら、戦略策定等の政策専門事項は「真のエリート」(『国家の品格』)が行うべきであると私は考えている。こうした「真のエリート」は官僚や政治家の中にいるべき存在であるのだが、近年の政治不安や汚職事件を見てみると、どうしても「真のエリート」が政権を引っ張っているとはいえない。こうした現状を、山内は「デモクラシーの社会において、きちんとした大局観や総合力をもち国民の利益に奉仕するエリートをどう育てるべきかといった議論が国民世論に欠けている」と言い表している。特に、子供の能力や資質を無視して平均化する公教育を理想とする「教育ポピュリズム」なるものが、愛国心や忠誠心といった日本人として持つべき資質を否定してきたと主張する。
 
私としては、戦後日本の「教育ポピュリズム」よりも、単純に戦前の軍国主義への反省が愛国心の否定の原動力となったと解釈する方が説得力があるように思われる(「教育ポピュリズム」についての理解不足であれば申し訳ない)が、「ゆとり教育」の事例に見られるように、近年になって一層盛んになりつつ(むしろ過激になりつつ)ある「教育ポピュリズム」が青少年に大局観や総合力を身につけさせるための教育の質を低下させてしまったという点には大いに賛成である。日本人の学力低下を受けて、「ゆとり教育」は2008年の新学習指導要領案をもって方向転換がなされたが、日本人をどのように育成するべきかという教育のグラウンドデザインを文科省がいかに指し示せるか。日本の将来はこの一点にかかっているといっても過言ではない。
 
教養は、人間が大局観や総合力を身につける上での基礎となるものである。こうした大局観が種々の状況における判断力を高め、重要な局面での天才的な閃きを与える。集団を統率し業務を遂行していく上で、このような大局観や総合力の元になる教養は必須の要素といえるだろう。本書はリーダーシップの条件について、このような業務的能力を中心に分析を行っているが、ここに私はもう一つ重要な要素を付け加えたい。『国家の品格』でも少し述べたが、それは「他人の痛みが分かる心」である。いくら論理的に状況分析ができても、いくら集団を統率するカリスマを持っていたとしても、他人の痛みが分かる人間でなければ意味が無い。業務遂行的な要素のみを考えれば、ヒトラーでさえ素晴らしい政治家になってしまう。
 
大切なのは「心」の教育である。高校時代、『なぜ人を殺してはいけないのか―新しい倫理学のために (新書y (010)) 』という本を読んだときに、私はその理由を深く考えた。同書の結論では、「社会があるから」というのが答えであり、高校生の私はそのことに大きな疑問を抱いたのだ。確かに、一面では社会があり罰則があるからこそ人を殺してはいけないのだろう。しかしながら、本当にそれが答えといえるのだろうか。
 
会津藩の什の掟の最後には「ならぬものはならぬものです」という言葉がある。つまり、理由が無いが行ってはいけないことが人間にはあるのだ。理由は無いが、人は殺してはいけないのである。しかしながら、敢えてその理由を考えてみると、私は、「他人の心の痛みが分かる」ことこそが根本的な要因であると思うのだ。自分がされて嫌なことは相手にもしてはいけない。個人によって程度の差こそあれ、相手に対して多少なりとも共感するからこそ、相手の痛みが分かるからこそ、人を傷つけることはできないし、人を殺すこともできない。私達は「人を殺してはいけない」のではなく「人を殺すことはできない」のである。インドの友人も言っていた。「そこに愛があるから罪悪感を感じ、人殺しはできないんだ。」
 
では、人間はどうして愛を感じ、罪悪感を覚えるのだろうか。心理学では、他者への共感を覚える心理的要因を、幼少期に家族から受けた愛情がもとであるとする説が一般的である。つまり、幼少期に家族からの愛情を受けることができないと、他者の痛みが分からない、他者を愛することのできない人間になってしまうのである。本書において紹介されているヴィグディス・フィンボガドティル女史の「母と子の間の情緒的結びつきこそが、究極的にどの文明にとっても基礎となる」という言葉は、こうした幼少期における愛情の重要性を語っているのではないだろうか。母親からの愛情が人の心を育て、結果的に生まれる思いやりある国民が文明を築き上げていくのだ。
 
 
「真のエリート」を生むには本書が提示するような教養も重要であるが、それ以上に、思いやりのある心も重要であると私は思う。どちらを欠いても一国を牽引するリーダーにはなれない。これから人の親になる方々は、その子が将来、人を愛することのできる人生を送れる様に、精一杯の愛情を注いであげてほしい。それがこれからの日本という文明を高めていく上で非常に大切なことなのだ。

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2010-01-14(Thu) 15:05| 評論| トラックバック 0| コメント 0

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