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『人類が消えた世界』

人類が消えた世界
人類が消えた世界鬼澤忍

早川書房 2008-05-09
売り上げランキング : 34876

おすすめ平均 star
star秀逸な読み物
star未来よりむしろ今が問題
star読み応えのあるノンフィクション

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「もし人類が突然いなくなったとしたら」という仮定を、様々な視点から非常に細かくシュミレーションしたノンフィクションの作品である。”I am Legend”などの人類滅亡を描いた映画が取り沙汰される中において、本書はSF作品の要素は全く無く、ひたすら科学的証拠に基づいた事実が語られる。私達が住む街や動物達、または有害な化学物質はどうなってしまうのか、様々な分野の専門家にインタビューをしながら非常に詳しい筆致でそれぞれの人間の痕跡の行方を追っていく。分野横断的な作品なので内容はかなり幅広く感じるが、一貫して著者の視点の根底にあるものは、「人類VS地球」という考え方だ。
 
人類は極めて「不」自然な生活をしている。例えば、世界の中心ニューヨーク・マンハッタン島の地下水路には、753基のポンプが絶えず稼動し、アスファルトで島が覆われる前に土壌と川が果たしていた排水設備を人為的に代替している。ひとたびこの設備が停止すれば、ニューヨーク全体はたった一度の降雨によって洪水の波に飲まれ、あっという間に地盤は沈下し、超高層ビル群は土台から崩れ去るだろう。整備をする者がいなくなったジョージ・ワシントン橋は、冬になって広がった膨張目地の間に風で飛んできた色々なものが入り込む。そして夏に金属膨張を起こした際に、これらの異物が橋桁を少しずつずらし、橋全体が落下するまでにそれほどの年月はかからないだろう。
 
建造物だけではない。人間はこれまで自然に存在しなかった様々な化合物、そして生物を作り出した。象徴的な例として挙げられているのが、プラスチックである。ポリ塩化ビニルやポリエチレンなどの人工プラスチックは、私達が想像している以上に丈夫な物質だ。紫外線によって非常に長い年月を経て光分解することはあるが、これも埋め立てられた土の中や水中などの条件化においては十分な紫外線が得られず、分解に更なる時間がかかる。そして、今の自然界にプラスチックを完全に分解する酵素を生み出すことのできる微生物はまだ存在しないため、これら遮光された場所に存在するプラスチックは半永久的に残り続けるだろう。
 
「燃えて灰になったわずかな量を除けば、この50年ほどのあいだに世界で製造されたプラスチックのほぼすべてが、まだそのまま残っています。環境のどこかに存在しているのです。」(P192)
 
とアンソニー・アンドラディ博士は語る。一見すると、機械的な風化作用で姿を消しているように見えるプラスチックも、単に小さな破片へと砕けているだけで、目に見えない粒子となって自然界に残っている。生分解と銘打ったポリ袋も、それらを構成するセルロースやデンプンが分解したあとは、透明でほとんど目に見えないプラスチックの粒子が何万と残るのだ。そしてこれらの粒子は、上述したように、長い年月をかけた紫外線による光分解によってしか完全に分解されない。結果的に、これらの小さなプラスチックの粒子はプランクトンによって摂取され、食物連鎖を通じた生物濃縮が起きるだろう。
 
こうした人類の爪あとを消し去るには、何万年という月日がかかる。逆に言えば、時間が経てば傷は癒えるのだ。楽観主義者は、「いずれ自然が全てを癒してくれるから大丈夫」と考えるかもしれない。しかしながら、こうした自然への暴挙が私達の生活に影響を及ぼし始めている現状において、私達は自らの意思をもって環境破壊を止めなければならないのは明らかだ。
 
もう一つ、本書による興味深い提案の一つに「人口統制」がある。現在の世界人口は約60億人、さらに得四日に100万人のペースで増え続けている。このまま人口が増え続ければ、食糧危機のような問題はもちろんのこと、我々が生活することによって破壊される環境の規模は計り知れないだろう。したがって、人類が存在することで引き起こされる様々な問題を根本的に解決するために、全女性一人につき子供を一人と限定する世界的な政策をとるのである。世界の出生率(2006年度版)をみると、ほとんどの先進国の出生率は1.3程度であり、その反面で多産多死である途上国地域における出生率が非常に高い。まず、余裕のある先進国が自国の出生率を1.0にまで制限することは政策的にそれほど難しくないだろう。そして、途上国への支援を行いながら、これらの国々における多産多死の生活状態を改善していくのである。NEWSWEEK2009119日号)の記事でも、ゲイツ夫妻が人口超過の問題解決を通じて環境破壊を止めることについて言及している。自分の子供が簡単に死ぬものではないと知った母親達は、無闇に子供を持たなくなる。途上国支援によって幼児の死亡率を下げることは、逆説的に人口の減少に繋がるのである。
 
全ての生物には密度効果によって、個体数が多くなると何らかの形で個体数の増加にブレーキをかける仕組みが働くとされている。しかしながら、人間にはこうした密度効果が働いているとは思えない。例えば、東京や大阪などの人口過密地域は、明らかに生物として許容できる人口密度を超えているように思われる。ただ、我々は人間だけが持つことを許された知性・意思によって、密度効果を無視してそこに住むことを選択しているのだ。そうであるならば、同様に私達の知性によって、増えすぎた人口を減らしていくことは間違いなく可能であるし、そうすることが知性を持つ上での義務であるとは言えないだろうか。このような統制は知性を持った人間にしかできない。それを選択するか否かは私達の意志にかかっている。

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2009-12-05(Sat) 15:35| 評論| トラックバック 0| コメント 4

コメント

プラスチックの話は興味深い。日本のスーパーも今すぐ量り売りにして、むやみなプラスチックトレーの使用を放棄するべきだ。

この文章は全部本の著者が主張していることと解釈するけど、今の時代、出生率を1.0に下げるのはどう考えても「政策的」に難しいだろうと。どの国もそんな人口構成に歪みが出るような、急進的な政策には手を出さないとも思うけど。

あとゲイツさんは本当に他に何の解説もつけずに、「無闇に子どもを持たなくなる」って言ってるん?子沢山=社会的ステータスの向上という文化もいっぱいあるのに…。環境に対して逆説的かもしれないけど、むしろ経済開発を進めて、女性の社会進出を後押しして女性に経済力つけさせるほうが、子どもの数減ると思うけどなー。

あと、東京や大阪の過密地域って梅田とかのこと?それやったら、あくまであそこは昼間人口高いだけよな。夜間人口があれやったらさすがに抑止効果働くと思おう。

で、結局地球の適性人口はどれくらいなん?100億までキャパあると聞いたんだけれど。

2009-12-06(Sun) 17:32 | URL | たいすけ #CjlWd7YA[ 編集]

>たいすけ
お久しぶり。コメントありがとね( ゜ー^)/

確かに、一人っ子政策を推し進めた中国でさえ今は1.7と高い出生率だから、現実的に完全に1.0まで下げることは非常に難しいだろうね。でも、だからといって「途上国だけ出生率を下げろ」と主張することが反発を招くのは間違いない。だから始めるのは先進国からでなければならないと俺は思う。そして、出生率が元々少ない先進国ならば、自国の国民に対して政策を説明する際にも納得が得られやすいのではないか。そういった意味でも、人口統制政策は不可能ではないはず。ちなみに、この辺は俺の意見だけどね。

そもそも、ビルゲイツ財団は5歳以下の子供の死亡率を下げる支援を重点においてるらしい。彼らの支援についてなされたインタビューの中で出た言葉だから、「無闇に子どもを持たなくなる」一つの可能性として、母親の子育てに対する理解の向上を挙げただけやと思う。もちろん、母親が「無闇に子どもを持たなくなる」ための支援を全て挙げようと思えば、女性の地位向上や経済支援などたくさんある。ゲイツ夫妻もそれを承知の上で、彼らの支援がもたらす結果に絞って話をしただろうから、俺もここではそうした他の要素についての説明は省きました。

昼間の梅田の人混みでなくても、北摂やミナミの住宅の密集度合いは生物として異常じゃないかな。人間の適正な人口密度についての研究はないし、主観的な問題になるだろうから科学的な実証はできないけれども、野生の動物達と感覚的に比べてみても、やっぱり都会の人間は密集して住みすぎだと思わない?

仮に地球のキャパが100億だとしても、キャパ限界までいってしまっては駄目でしょう。キャパに行く前に人口増加を止めないと、到達してからではとても間に合わない。今のままでいけば2050年には90億まで人口は膨れ上がる。そうなれば人間が環境に与える影響は単純に今の1.5倍になるわけだ。それは明らかによろしくないよね。まぁ環境破壊を減らす技術革新を待つというならそれも良いけど、そうした後手後手に回る他人頼みの政策よりも、実際に国家同士の協定で何カ国かが率先して人口抑制の政策を打ち出していく方がよっぽど現実的ではないかと俺は思うわけです。

どないでしょう?

2009-12-07(Mon) 00:20 | URL | ゆーすけ #-[ 編集]

国際的な人口の抑制は国家主権にもかかわる問題やし、もともと適正な人口の国もあると思うから、エネルギー使用効率とかそういう基準に基づいてとかになるんかねーとは思う。そうなると、まず日本や(笑)でも国内市場が縮小するぶん、海外市場に流れていくわけで、ある意味植民地主義と言われればそういう気がしなくもない。どっちみち、新植民地主義に変わりがないのかもしれんけど。

ゲイツ夫妻についての自分のコメント見て少し一方的な書き方になっていると気づいた(笑)

ミナミはほとんど知らんけど、人間はある程度プライバシー空間(壁)があれば、ストレスは多少あれどどうにかなるんかなと思う。行動心理学とかでそういう実験あると思うけどな。作業効率とかで。あと、動物とかが人間ほどに個体密度が高くないのは、食べ物のせいじゃない?渡り鳥とかたまにすごい群れてるような気がしなくもない。

2009-12-07(Mon) 02:36 | URL | たいすけ #CjlWd7YA[ 編集]

>たいすけ
「適正」な人口を考えようとすると難しいわな。これを考え出すと、まずはどの数値が「適正」なのかを科学的に実証しなければならなくなる。そしてこの実証については、例えば「日銀の金利の適正な数値は・・・」が経済学的に長年議論されているのと同様に、恐らく不可能だよね。「適正」を考えると水掛け論になってしまうから、「環境に与える負荷を減らすためにも人口増加を抑制していきましょう」という方がもっと現実的だろう。

人口が減少していくことによって被る内需の低下は避けられないことだろうね。ただ、そうなればいくつかの日本企業が競争の中で倒産していくだろうから、結果的に日本の経済規模自体が縮小するのではないだろうか。「では経済大国の地位を諦めるのか」という反論が出てくるだろうけど、そもそも小さな島国である日本が、発展した中国やインドと経済規模で張り合うこと自体が不可能だと思う。したがって、日本は技術や環境保護、国際支援など他の分野で国際的な評価を得るべき。そうなれば植民地主義の汚名を着せられることも無いだろうから(まぁ国際支援のやり方如何によっては植民地主義になるかもしれないが・・・)。

壁を作ったり、一つの土地に十分な食べ物を供給できるのは動物にはない人間の知恵があってのことだよね。確かにそうした知恵によって、人間は密集して暮らすことができるわけだけれども、同時に生物として自然に働く人口の抑制機能を無理やり無視しているのではないだろうか。大阪の人口密度は4,660人/km²あるのだけれども、人間ほど大きな動物が1km²あたりに4660匹集まって暮らしているのを俺は見たことが無い。そう考えると、やはり人間は密集しすぎだと思わざるをえなくないかな?

2009-12-07(Mon) 11:55 | URL | ゆーすけ #-[ 編集]

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