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『国家学のすすめ』

国家学のすすめ (ちくま新書)
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筑摩書房 2001-09
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おすすめ平均 star
star健全な「国家観」
star「フィクション」=「不要」ではない
star日本人にとって国家とは何かを考えるための指針

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『国家の品格』よりも更に踏み込んだ論理展開によって、現代日本が抱える国家観の欠如の原因を追究し、国家の役割を見つめなおす良書である。
 
ヒト・モノ・カネが国家間を行き来するグローバル化の進展に伴い、国家という存在を意識せずに地球一個の共同体に住む人々という括りで人類を捉えようと主張する世界市民主義や国家相対化論は、国際化による「進歩」の側面を誇張し、国家という枠組みを軽視する。世界は確かにグローバルかしつつあり、将来においてもますます国家間の交流の門戸は下がっていくものと思われる。しかしながら、ある歴史・環境の中で育った人間が、全く異なる歴史・環境の中において普遍的に活躍できる世界が訪れることはまずない。文化という壁がある以上、「ヒトの技能はグローバルではない」(P49)のだから、国家という枠組みを意識することなく、国家間の人的な移動が加速化していくことは不可能である。
 
同時に、国家を「ある事態や問題を前にして、人々が当然の如く互いに期待し、さらには承認しているところの、自分も含めた複数の人々の行動の仕組みのひとつ」と捉える視点も興味深い。端的な例を挙げるとすれば、警察権力が分かりやすい。自分の家に盗人が入れば、家主は警察が事件を解決するという過程を望む。こうした家主(人々)期待と期待に応えるための権力行使への承認を根拠にした制度が集合した総体が国家であり、国家の根拠とは我々の心の中にあるものなのだ。
 
国家がそのような制度の総体であるのであれば、日本という共同体意識はどのように生まれるのだろうか。それは「歴史的記憶」の共有によって生まれる、と著者は主張する。ここにいう「歴史的記憶」とは歴史的事実や昔語りなどの日本人の来歴であると述べられているが、同じ日本人と称する人の中にも同一の歴史観を共有しない人は間違いなくいるので、来歴を共有することが日本人としての条件とするのは無理があるのではないだろうか。そこで私は、自分自身が日本人であるという「自覚」によって、ヒトは日本人になり得るとした方が良いと考える。アリストテレスも「アテナイは城壁その他の土木施設ではない。アテナイとはアテナイ人のことである。」と述べている。自分は日本人であると真に思えることが日本人としての条件ではないだろうか。
 
このような集団的同胞意識を共有する民族が発達して「政治的意思を有し、国家を形成して、その国家の制度を通して様々な課題の達成や問題の解決を図ろうとする状態になったとき、これを国民と称することができる。」(P157)日本は、こうした段階を経て国家を形成してきたが、閉鎖的な地理的条件の中で、他民族との摩擦や対立の機会が絶対的に少なかった。そのため、他民族との主張の対立を解決するための政治的手腕を発揮できる場が限られており、原爆について日本人学生がアメリカ人学生の原爆不可避論に全く対抗できなかったという一例を挙げつつ、著者は日本人の「アイデンティティが脆弱」と主張する。確かに、全く異なる歴史観を持つ他民族との議論の場というものは日本において少ないかもしれないが、これはいささか突飛な論理にも思われる。というのも、先に述べたように同じ日本人の中においても、異なる歴史観を持つ日本人は存在するのであるから、そのような人々との間で間違いなく主張の対立・妥協は図られるのであるし、学生の例についても、アイデンティティが脆弱というより議論の技能が未熟だったと考える方が自然ではないだろうか。事実、その学生は広島の「原爆は悲劇である」という主張を持っているのであり、それはアイデンティティとして十分通用する。
 
しかしながら、日本が国家の対外的な戦略性に欠けるという点については著者の意見に賛成である。原爆の問題について著者はこう述べている。
 
アメリカ側が自らの国家の立場を意識し、これまでのアメリカという国家の歴史と今後の世界戦略を踏まえたうえで、原爆投下の意義を語る用意を備えているのに対し、日本側は、そうではないということである。(P145)
 
アイデンティティや議論の技能云々よりも、日本を世界の中でどのように位置づけていくのかという、日本の国家戦略の芯にあたるものが欠如しているがゆえに、日本外交は遅れていると評されるのだ。世界は平和であると信じたがる日本人と、そうした「平和な」世界に対して「友好」という逃げの姿勢で臨む政府は、やはり島国根性のぬるま湯の中に浸かっていると言われても仕方がない。
 
我々は日本という領土に住む単なる生活者であってはならない。著者が主張するように、「国家のあり方そのものに関心を寄せて思索し、発言し、行動する存在」としての「公民」なる者にならなければならない。そうした個々の主体性が日本国家を真に変革する鍵となるだろう。

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2009-11-09(Mon) 17:47| 評論| トラックバック 0| コメント 0

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